読書感想文「二月の勝者」
ちらほら中学受験を意識するご家庭(※我家も含めて)が増えてきたので、予習として『二月の勝者』を読み始めました。
まだ半分ほどですが、このマンガは驚くほどリアルです。
作者は塾勤務経験者ではないそうですが、塾側の事情や受験家庭で起こりうる出来事が誇張なく描かれていて、中学受験を考えるなら一度読んでおく価値があると感じました。
特に序盤で描かれていますが、首都圏で中学受験が加熱する背景が大手塾の構造的な煽りによって支えられているという示唆的なものを感じたのは私だけでしょうか。
中学受験で一番得しているのは受験生でも学校でもなく、実は学習塾かもしれませんね。
■ 心に残った一言
作中で最も心に響いたのは、
「これからの人生、ずっと点数つけられるんだな」
というセリフでした。
小学生が中学生になると、勉強が難しくなるだけでなく、進学のための“点数”によって評価されるようになります。
そしてその構造は高校、大学、社会人になっても続きます。科学技術の発達によって、非認知能力のような本来測りにくい領域にまで数値がつけられる時代です。
この「評価社会」とどう向き合うかは、これからの人生を生きるうえで避けて通れないテーマだと思います。
ただし、安直に「慣れればいい」という話ではないはずです。
■ 点数は“自分を見るための材料”であってほしい
点数は
「自分の過去を振り返り、次に何をするかを考える材料」
として扱えれば十分だと私は考えております。
ところが現実には、そこに 他者からの評価 が入り込むことで、点数そのものが苦痛の源になってしまいます。
作中でも描かれていましたが、
「点数が悪いこと」よりも「点数が悪いことで親に咎められること」の方がつらい、という子どもの声は本当にその通りだと思います。
サザエさんやドラえもんでも、テストの点が悪いと親に叱られる場面がありますが、あれは何のための叱責なのか。
あの構図こそが、子どもを勉強から遠ざける大きな要因になっているのではないでしょうか。
■ 評価を“前に進む力”に変えられるか
評価を見て
- 「次に何をするか」を前向きに考えられる人 と
- 「何がまずかったのか」を後ろ向きに引きずる人
この違いは、点数そのものではなく、周囲の大人の関わり方 によって生まれる部分が大きいと感じます。
だからこそ、大人が点数を見たときには、子ども自身の感想を聞き、忖度のない言葉を引き出すこと が何より大切だと信じています。
それを引き出すためには「聞き方のスキル」だけではなく、普段からの子どもとどのように接しているかがポイントになり、だいぶ難易度が高いと思いますが。
こういうのは「赤の他人」の方がやりやすいでしょうね。
点数は「他者に評価されるためのもの」ではなく、
「自分を知るための道具」
として扱えるようにしてあげたい。
そのための関わり方を、大人がまず学ぶ必要があるのだと思います。
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