授業日誌
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都立入試問題を解いてみた①
都立入試の問題を解いてみた都立入試が終わったので、塾講師らしく入試問題に挑戦してみました。合格発表までに、大手塾には書けない主観だらけのレビューをお届けします。…毎年、多くの学習塾が入試の講評を発表しますが、どれも似たり寄ったりの無難な内容ばかり。そりゃ、専門家が分析すれば結論が似るのは当然ですが、実際に試験を受けるのは中学生です。専門性が高くなるほど、現場の生徒たちの実感とはズレてくることもあるわけで。私も長年この仕事をしていますが、分析専門ではありませんし、そもそも文系なので数学の知識は偏っています。だからこそ、大手のレビューとは違った視点から語れるかなと思います。このブログをどれだけの人が読んでいるかは分かりませんが、せっかく解いたので爪痕を残しておきます。数学平面図形の3問目と空間図形の2問目が難しかったですが、例年通り合計で10点。この2問を仕留めるよりも、見直しを優先した方がよかったでしょう。セオリー通りです。ここ数年、私にとって図形は易しめ、関数が難しめでしたが今年は逆。その先入観で臨んだ人がいたとしたら焦ったかもしれません。「空間図形は最近簡単」と言っていた自分を反省しつつ、幸いにも問題の雰囲気が難しそうだったので、数学が苦手な子は迷わず捨てられたはず。中堅以上の高校を受ける人にとっては、式の証明関数の3問目空間図形の1問目が勝負の分かれ目だったように思います。式の証明は数字がややマニアックでしたが、迷わず進めた人は正解できたと思います。特に難易度は高くないです。英語ここ数年、長文が読みにくい自由英作文が書きにくいという状況でしたが、今年は比較的解きやすかったように思います塾生の自己採点を聞いていても、解きやすかった様子。※これで平均点が低かったら、今年の塾生の英語力が高かったということに😀自由英作文のテーマは「もっと練習したいこと」。こんなの「英語を勉強する」「毎日サッカーを練習する」みたいな王道パターンでサクッと解決できたはず。…個人的には、こういう問題で「優秀かどうか」を測るのは疑問。だって、生成AIに頼めば一瞬で書ける内容ですよ?こんな問題が解ける人を評価する試験でいいのか、そろそろ考え直すべきでは?長文読解も例年通りの難易度、長さ、展開。自由英作文で時短できれば、時間内に解けたはず。ここ数年、英語はやや難しめだったので、今年は受験生にとってありがたかったのでは?国語すみません、あてにならない思うので特筆しません😞塾生の平均点を見る限り、例年通り易しめだったようです。次回予告文が長くなるので、理科と社会は近日中に。読んでくださる方がいたら嬉しいです!西東京市田無の個人塾稲塾
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「調べる」を考える
わからないことは調べる!まずはそこから「わからないことは聞く」とはよく言いますが、私はいつもこう伝えています。「わからないことは、まず調べる。調べてわからなかったら聞く」聞くことはもちろん大事。でも、すぐに誰かに頼るクセがつくと、自分で考える力が育ちません。逆に、わからないことをそのまま放置するのは論外。これはもう、ただの「思考停止」です。じゃあ、どうするのが正解か?①わからないことはメモする②まずは自分で調べる③それでもダメなら、聞くこれが基本です。「調べる」ってどうやるの?「調べるって言われても、何をどう見ればいいかわからない」そんな声もよく聞きます。でも、答えはシンプル。📖教科書を見る!📌単元のポイントをチェック!英単語なら巻末や単元冒頭にまとまってるし、数学なら公式が載ってるはず。社会や理科も、キーワードを見れば関連情報が出てきます。そして大事なのは、「調べたら終わり」にしないこと。答えを書いて◯をつけるだけでは、すぐに忘れてしまいます。✏ノートに書く→2~3日に1回見直すこれを続けるだけで、驚くほど定着します。スマホは味方か、敵か?中3はこの習慣がよく身につきました!ノート作りが上手です😀でも、1・2年生はまだまだ。「わからない問題に出くわすとフリーズ」「とりあえずGoogle先生に聞いてみる」うーん、特に後者は危険。ネットの情報が多すぎて、結局どれを信じていいかわからなくなるパターンです。ていうか、答えをググるなら、解答集を見た方が早くないですか?どのみち「覚えなおす」という作業は必要なので、時間の使い方を間違えちゃダメ。スマホを上手に使えれば最強のツールなのに、今はまだ「おもちゃ」になってる気がします。とはいえ、「使うな!」と言ってしまうのも違う。どうせ使うなら、ちゃんとした調べ方を身につけるべきなんです。やっぱり「教科書」最強説最近、少しずつですが、教科書を使う生徒が増えてきました。これ、すごくいい傾向です。なぜなら、教科書準拠で勉強してるんだから、教科書を見れば大体のことは解決するから。しかも、ただ答えを探すだけじゃなく、周辺の情報まで拾えるのが強みです。次のステップは、「学校の授業ノート」や「プリント」を活用することですね。…と言い続けて、1年生に「ノート持ってきて」とお願いしてから2週間。いまだに手に入らず……😅まぁ、地道にやるしかないですね!💡まとめ💡✅わからないことは、まず調べる!✅教科書やノートを最大限に活用する!✅調べたことはメモ&復習で定着させる!✅スマホは「おもちゃ」じゃなく「ツール」として使う!「聞く力」も大切だけど、「調べる力」も同じくらい大切。これがしっかり身につけば、勉強だけじゃなく、将来社会に出ても役に立ちます。さぁ、今日も「まず調べる」習慣、始めていきましょう!西東京市田無の個人塾稲塾
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「漢字信仰」を疑う
目的を考えてから勉強しよう!勉強の王道は「基本の理解・暗記→問題演習→振り返り」です。でも、気を抜くと「勉強=問題演習」になってしまう人、意外と多いんですよね。「とにかく問題を解いて、赤で答えを書き写して終わり!」「提出物を出せばOK!」みたいな感じで、とりあえずやることが目的化しちゃう。これが体に染み付いてしまうと提出物でもないのにわからないかった問題、間違えた問題を赤で答えを書いておしまい…みたいなことになってしまいます。確かに、問題集が進むと「勉強した感」は得られるんですが、そもそも何のために勉強してるのか?を忘れちゃうと、本当に意味がなくなってしまいます。「漢字崇拝」に異議あり!そんな「目的を見失う勉強」の典型が社会の語句暗記です。テスト勉強の基本は「まず語句を覚えること」。それ自体はいいのですが、ここで「漢字で書けないとダメ!」問題が発生します。何だか漢字にこだわる大人の人、多いですよね。漢字じゃなきゃダメですか?漢字の力は国語の授業とか漢検とかで鍛えてください。なんて思うんですが…漢字が苦手な人にとって、これはなかなかの試練。だって、歴史の語句って常用漢字じゃないものも多いですよね?「墾田永年私財法」に始まり「琵琶法師」とか「征夷大将軍」とか「平等院鳳凰堂」とか…読みならまだしも、書くとなると「えっ、これちゃんと書ける??」ってなる人、多いはず。でも、そもそもこれは歴史のテストなのか?漢字のテストなのか?って話です。小学校の頃、「習ってない漢字は使っちゃダメ!」なんて伝説的な迷言を残していた先生いませんでした?なのに中学生の定期テストになると「漢字で書け!」って言われる。公教育、どうなってんだ??ちなみに入試はマーク試験が主流ですよね。漢字が苦手な子にとっては、語句を覚えること自体のハードルが無駄に上がってしまうんです。漢字の制限を外したら、覚えやすくなった!そんなわけで、うちの塾では「漢字指定ナシ」にしました。もちろん、学校のテストでは減点される可能性があることは伝えていますが、まずは内容を覚えないと意味がないので。すると、暗記テストのスピードも正確さも段違いでアップ!ちゃんと語句の意味まで理解できるようになったんです。やっぱり、「漢字で書くこと」にこだわりすぎると、本質を見失う」んですよね。もちろん定期テスト対策なので漢字を覚えるのが得意な人は漢字で覚えた方がいいです。でも苦手な人にとっては漢字というハードル、ものすごく高いんです。もちろん、日本語を使う以上「読む力」は必要ですが、歴史を学ぶときに最優先すべきは「その出来事が何だったのか」です。そのハードルを下げるだけで、学習効果は大きく変わる。この違い、もっと多くの人に気づいてほしいなと思います。西東京市田無の個人塾稲塾
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校長会資料から考える
3学期の始まりは「校長会調査」とともにやってきます。進学研究会様、いつも丁寧な資料のご送付ありがとうございます。さて、世間では「私立の補助金の影響で都立の倍率が下がっている」との話がちらほら聞こえてきます。うーん…本当にそうでしょうか?確かに全体的に見れば倍率は下がっているかもしれませんが、実際に現場で生徒たちと向き合っていると楽観視できる雰囲気は感じません。個人的には「魅力的な都立高校」を目指す改革よりも、定時制や通信制の拡充といった、より間口を広げる政策のほうが必要だと感じていますが…その話はまた別の機会に。さて、稲塾の生徒さんたちが志望する高校の倍率は、例年並みか、やや低めといった印象です。ここで気をつけてほしいのは、倍率が1.1倍や1.2倍だからといって「低いからラッキー!」なんて油断してしまうこと。たしかに数字だけ見ると低めに見えますが、冷静に計算してみましょう。志願者数から定員を引いてみると、1.1倍でも30人から40人が不合格になるんです。これって、公立中学校の1クラス分の人数ですよ!「えっ、そんなに落ちるの?」と驚いた方もいるのではないでしょうか?倍率の数字に惑わされず、実際に何人が不合格になるのかを意識してみてください。そうすると、目の前の勉強にもっと集中できるはずです。とはいえ、決して高倍率ではありません。進学研究会さんが出しているボーダーラインをしっかり目指して勉強を進めれば、きっと結果はついてきます。受験ではありますが、他人と比べず自分の課題と向き合いましょう!倍率や周囲の状況に振り回されず、自分自身の目標をしっかりと見据えて、残り1ヶ月、全力で頑張りましょう!応援しています!西東京市田無の個人塾稲塾
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言葉にして考える力:勉強の質を変え、未来を開く
こんにちは!今回は「言葉にして考える」ことの大切さについてお話しします。ウィット少々、真剣さも少々。塾の現場で感じたことをそのままお伝えしますね。さて、最近は確認テストの話題が続いていますが、2年生が比較級の確認テストに挑戦しました。比較級、地味にボリュームありますよね?「〜er」とか「more〜」とか、規則も例外も盛りだくさん。教科書の扱いが最近あっさり気味な気がするのは私だけでしょうか?とはいえ、うちの塾では1か月かけてじっくり準備しました。もう大丈夫だろう!ということで、準備ができた子からテストに挑戦です!結果は…1発合格が2名のみ。う〜ん、惜しいなあ。でも、がっかりする必要はありません。合格点を高めに設定して挑戦した子もいるので、それ自体はすごくいいことです。ただ、課題が見えてきました。その課題とは、「積み重ね方」です。積み重ね方で差がつくまず、問題演習の最初の段階では「わからないところ」を探すことが重要です。ここでのポイントは、単に「なんとなくわからない」で終わらせないこと。「わからないこと」を自分の言葉で明確にすることがスタート地点になります。どこでつまずいたのか?どうして間違えたのか?次はどうすればいいのか?こうやって、疑問や課題を言葉にして、次のアクションにつなげる。このプロセスが甘いと、「なんとなく理解した気がする」だけで、実は身についていない…なんてことになりがちです。実際に今回のテストでは、「立ち止まって考える」というステップが雑になっていたように感じました。言葉にして考えるとは?ここで大切なのが、「考えるとは言葉にすること」という視点です。ただぼんやり頭で思うだけでは、考えが形になりません。ノートに書き出すでもいいし、誰かに説明する形でもOK。とにかく、「自分の頭の中で曖昧だったことを、言葉として外に出す」。これを繰り返すことで、考える力がぐっと磨かれていきます。将来役立つ力になる!この「言葉にする力」は、勉強の場面だけにとどまりません。将来、仕事で対人コミュニケーションをするときや、生成AIなどのツールを活用するときにも大きな力を発揮します。例えば、生成AIに質問するとき。「なんかいい感じの資料を作って」と曖昧に頼むと、結果も曖昧。でも「比較級を使った簡単な英文の例文集を作って!」と具体的に指示すれば、狙った成果が得られますよね。つまり、「自分の考えを具体的に伝える力」は、時代が変わっても普遍的に必要なスキルなんです。今のうちに身につけておくと、未来がぐっと広がりますよ。「言葉にして考える」。最初は難しいかもしれませんが、この習慣をつけることで、勉強も、将来の仕事も、自信をもって取り組めるようになるはずです。さあ、次回の確認テストも頑張っていきましょう!西東京市田無の個人塾稲塾