授業日誌
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「英明フロンティア」中学に行ってきました
緩やかに中学受験を始めることになったので、「東京女子学院」改め「英明フロンティア」に行ってきました。何年ぶりだろう?ふと振り返ると、独立して5年目。最後に訪れたのは7〜8年前だったかもしれません。久しぶりに足を運んでみると、校舎がすっかり綺麗になっていて驚きました!英明フロンティアさんの宣伝も兼ねて写真でも撮ってくればよかったなと少し後悔。やっぱり東京の私立校は、まず施設が綺麗でないと戦えない時代なんでしょうね。立派な設備は“武器”ではなく“前提条件”になっている——厳しい現実です。さて、肝心の中身ですが、最近の教育トレンドはやはり「探究学習」です。(そもそも自分にとって興味があることを学ぶのは当たり前のように思いますが…学校ってそれが出来ないですよね。)大学入試も総合型選抜が主流となり、単なる学力では突破できない時代に変わってきています。「自分で考え、自分で動く」——この言葉、今は流行のようにも聞こえますが、本来教育の大きな目的だったことに改めて気づかされます。いつの間にか勉強が偏差値を競い合う競技のようになってしまい、実感のない“死んだ知識”を詰め込むことが目的ようになり、大学も知識を得るためではなく肩書きを得るための場所に変わってしまった。これが正しい進化だったのか、それとも歪んだ変化だったのか——ふと考えてしまいます。社会に出ても大学で学んだことを活かせていない人も多い気がします。ホワイトカラーという言葉も今では死語かもしれません。そう思うと、これは私たちの幸福感にも影響している気がします。悪い意味で。英明フロンティアさんも、そんな流れの中で「探究教育」に力を入れていくとのこと。理論は理解しやすいけど、実践となると本当に難しい。結局は先生の知識や技量、教育観にかかっていると思います。先生方も日々学びながら成長していくしかありません。今後の展開に期待しています。他の私立も同様の方向に進んでいると思いますし、私も我が子には“死んだ知識”の詰め込み教育は受けさせたくありません。だからこの変化は、いい方向に進んでいると感じます。だからこそ、公立の変化の遅さが少し心配にもなります。これが今日一番強く感じたことです。公立と私立の違いが、はっきりしてきたなあ。これからは他の学校にも積極的に足を運んでみたいです。田無からも近いし校舎も見違えるほど綺麗になって、おこがましいかもしれませんが、おすすめできそうな学校に生まれ変わった印象を受けました。もちろん、最終的には好みの問題ですが。…ただ、正直なところ、塾としてはあんまり人気が出て入試のハードルが上がると困るかも。なので、頑張りすぎず“ほどほど”に発展してほしいなと思います(笑)最後にちょっとした雑談ですが、「英明フロンティア」って、みんなどう呼ぶんでしょう?やっぱり「英フロ」かな?それとも「英明」だけ?西東京市田無の個人塾稲塾
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テスト勉強とカンニングペーパー
先日、河合塾の講師によるストライキが話題になりましたね。講師側の訴えに対して、河合塾は一切応じず、15分のストライキに対して90分の補講を実施するという対応をとったそうです。解雇こそできないものの、この返し方…。もはや直接「辞めてほしい」と言ったほうが親切では、と思ってしまいました。講師が自分の力を過信していたのか、塾側が講師の価値を見誤っていたのか。どちらにせよ、結論は当人が辞めるまで分かりませんが、つい気になってしまうニュースでした。さて、久々にブログを更新します。西東京市でも「1学期の中間テスト廃止」が広がってきているようですね。多くの中学生にとって、6月中旬が今年度最初の定期テストになりそうです。稲塾でも、少しずつテスト対策をスタートしています。特に中学1年生には、今年は「カンニングペーパー作り」をテーマにしています。もちろん、本当にカンニングさせるわけではありません(笑)。本気の「カンペ」は最高の勉強法?カンニングペーパーを作る、という行為。これって実は、めちゃくちゃ頭を使うんです。テスト範囲が教科書30〜40ページにも及ぶ中、「何を、どうまとめるか?」「どこをコンパクトに整理するか?」限られた紙面に、必要な情報を選び抜いて書くには、相当考えなければなりません。言い換えればこれは、“思考を伴ったノート作り”。ただ写すだけのノートとは全く別物です。テスト中に見るのはアウトですが、テスト前に自分で作った“最強ノート”として活用すれば、これほど力になるものはありません。勉強=「問題を解くこと」になっていませんか?多くの生徒が、ワークを埋めることを“勉強”だと思っています。確かに、解くことも大切ですが、それだけではただの作業になってしまいます。本当に大切なのは、「考えて理解すること」。自分の頭でまとめる力を身につけることです。それができて初めて、“テストが終わっても役立つ勉強”になります。点数よりも、自分の変化を見ようテスト後に「点数が良かった/悪かった」で終わってしまうのはもったいない。それよりも、「自分はどこができるようになったのか」「どこがまだ苦手なのか」を知るほうが、ずっと大事です。そのために必要なのが、“振り返るための資料”。今回のカンニングペーパーは、まさにそれになります。勉強は「繰り返し」ではなく「積み重ね」。そして積み重ねていくべきなのは、「勉強のやり方」そのものだと、私は思っています。最後に点数を取るためだけの勉強から、自分の成長を感じられる勉強へ。そんな一歩を、一緒に踏み出していけたら嬉しいです。西東京市田無の個人塾稲塾
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教科書の小改訂は何のため??
新年度、新しい教科書を購入しました。…重いし、高い。しかも今回は微妙に出版社が変わっていたりして、必修テキストの発注にはちょっとした緊張感が。幸い、教科書の方は「西東京市セット」のような形で注文できたので助かりました。田無の書店、博文堂さんに感謝。そもそも塾の近くに教科書販売店があること自体、ありがたいですよね。さて、新しい教科書を見てみると――う〜ん……英語以外、何が変わったの?と思ってしまうくらい、ほとんど違いがわかりません。必修テキストとか、学校で配られる問題集とかちょっとイラストとかカラーが違うだけで中身がほとんど同じだったりします。微妙にページが違ったりするのでその点が何とも扱いにくいもちろん「小改訂」ですから、大きな変更はないのは分かっています。でも、探しても違いが見つからないような改訂に、果たして意味があるのでしょうか?私は毎年、教科書やワークに沿った教材を自作しています。だから、教科書が少し変わるだけでも、過去の教材が使えなくなることがあり、とても不便です。こんな声は、アリンコのように小さなものかもしれませんが、同じように困っている先生も多いのではないでしょうか。こういった細かい変更が、かえって教科書を使わない先生を増やしている気がします。その結果、子どもたちが「学びにくく」なっているのでは?たとえば、「テスト勉強しろ」と言われて教科書やワークを一生懸命やったのに、テストは先生の趣味で作られた独自プリントから出題され、結果は撃沈…。それで内申点がつけられるなんて、生徒からすると理不尽そのものです。もちろん、教える側がやりやすい方法で授業を進めるのは悪いことではありません。でも、学校は「先生の授業のために」あるのではなく、「子どもが学ぶために」あるものです。だからこそ、時代に合わせた教育内容の見直しだけでなく、「学びやすさ」にももっと目を向けてほしいと思います。西東京市田無の個人塾稲塾
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4月よりコースが変わります!
4月より、稲塾のコース設定が変わります!①STEAM教育コースの終了これからの時代には、こうした教育が必要だとずっと感じていたのですが……どうやら世間の皆様との温度差があったようで、残念ながら終了することになりました。(誰か、余ったブロックとか買ってくれないかなあ…)②「完全個別コース」の新設!実は、個別指導ってあまり好きじゃなかったんです。子どもの課題をすべて大人が代わりに解決してしまうような気がしていて。でも、ここ数年、福祉の仕事に関わる中で、**「個別支援の大切さ」**を痛感するようになりました。自分の子育てを通して発達障害についても深く学び、ついには開業までしてしまいました。状況を分析することはできても、「有効な対策をどう立てるか」は本当に難しい…。そんなときに出会ったのが、SMK完全個別でした。このノウハウ、すごすぎる…。本が2冊書けそうなレベルで体系化されていて、自分では到底ここまで言語化できないと実感しました。Facebookでたまたま出会ったのですが、なんと調布の方でご近所さん!ご縁があって、SMKさんと提携して新しい事業を始めることになりました。その名も、「完全個別田無ゼミ」!……うん、ちょっと固有名詞っぽくないけど、これが正式名称です(笑)このコースでは、発達障害や不登校の方を対象にしたマンツーマンの完全個別指導を行います。これまでの「集団個別」形式では対応しきれなかった生徒さんにも寄り添える内容になっています。料金は稲塾と比べて少し高めですが、私が稲塾を始めたときにやりたかったことに、やっと一歩近づける気がしています。というわけで、「完全個別田無ゼミ」開校です!もし、不登校や発達障害のことで、学校や受験に不安がある方がいらっしゃったら、ぜひ一度、足を運んでみてくださいね。西東京市田無の個人塾稲塾
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都立入試を解いてみた②
引き続き、都立入試の感想をお話しします。社会大問1ルートマップの問題がややわかりにくかったですが、問2・問3は簡単でした。世界地理知識だけで戦おうとすると迷走しがちですが、文章をよく読めば解きやすかったです問1:説明文に気候の特徴が明記されているため、雨温図の読み取りができれば解決。問2・問3:モロッコ、ブラジルがやや迷いどころでしたが、「海峡に面した都市」「自国で産出する鉄鉱石」などのヒントから正答が導けました。問3は「航空機産業」をヒントにすればクリアできるはず。日本地理問1:例年通りの自然環境問題。山脈の位置や降雪、黒潮、カルデラ、水不足などのキーワードで解決。問2:山形と山梨は果物の生産が似ている印象ですし、モンテディオ山形とヴァンフォーレ甲府の力の拮抗具体を考える(※分かりますか??)と悩ましい問題でした。設問をよく読むと資料Ⅲに「観光農園年間売り上げ金額」の記述があるので、きちんと読めば大丈夫。計算が不要な資料問題で親切でした。問3:記述問題。「交通の利便性の変化を移動手段に着目して述べよ」…移動手段に触れずに交通の利便性を説明する人はいないのでは?設問がまどろっこしい。歴史問1:簡単だったのでコメント不要。問2:元禄文化と化政文化で迷う…入試だから仕方ないが、個人的にはどっちでもいい気がしてしまう。問3:記述問題。政府が日本画と西洋画の学校を多く設置したら、それらの作品が増えるのは当然。…ということは、浮世絵文化は政府によって衰退した?なんでもかんでも西洋化を進めた明治政府の罪は重い。問4:国家総動員法、戦後の民主化はクリアできそうだが、高度経済成長と大阪万博は少し迷う。公民記述以外は知識で対応可能。安心して解答できる。記述問題は「テレワーク」の影響をどう捉えるかが悩みどころ。模範解答が疑問。設問からは「労働力の減少をICTが補える」程度しか書けないが、テレワークと人口推移って関係あるのか?大問6最初の世界地理以外、出題の雰囲気が変わった印象。問1はやや難しかった。歴史を2年半かけて学ぶのに、公民は学校によっては3年生の2学期終盤から学習開始。それで同じ配点なのは納得いかない。ただ、公民が簡単だったので、バランス的にはこれでいいのかも。私の主観と塾生の自己採点を踏まえると、例年並みの難易度だったように思います。理科文系の私にとっては鬼門。とにかく情報量が多く、文字処理が苦手な人にとってはページを開いただけでため息が出る。今年は計算問題が多め。意図的に計算対策をしなかった人には涙も出る。個人的にはボーリング調査が出てきた時点で脱力。大問1密度・圧力の計算は概数で求めるなど工夫ができたので、厳密な計算は不要でした。大問2湿度の設問が独特で、やりにくかったです。「公式に当てはめる」計算対策では限界があったように思います。大問3中1地学の出題。覚えることを覚えていれば解けるが、「ちゃんと覚える」のがそもそも大変。まあそれでも暗記で片付く問題が多かったと思います大問4中3生物。情報が多くて圧倒されるが、結局「ちゃんと覚えていれば解ける」問題。ここで点数が取れないと厳しい。大問51・2・4は簡単。3の計算が難問。中2の化学計算は難しいと分かっているので想定内。焦ってはいけない。大問6情報の取捨選択ができれば基本問題。ただし、読解力が必要なので、理科の知識がないと解けないのかなあ…社会と同様、完答問題が多いのが不満。一見難しそうに見えるが、解いてみると意外と素直な問題が多いような気がします。塾生の自己採点を見ると、例年よりやや難しめの印象。総評理科も社会も情報量の多さが難しさの要因。毎年感じるが、一問5点・4点の「完答問題」にするくらいなら、選択肢増やして偶然正解を防ぐとか、配点を工夫して問題数を増やすとか、やり方はあると思います。5教科トータルで考えると、例年並みの難易度だったのでは。ボーダー付近の受験生が合格できることを願いつつ、定期テスト対策をしながら合格発表を待ちます。西東京田無の個人塾稲塾