授業日誌
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教科書の小改訂は何のため??
新年度、新しい教科書を購入しました。…重いし、高い。しかも今回は微妙に出版社が変わっていたりして、必修テキストの発注にはちょっとした緊張感が。幸い、教科書の方は「西東京市セット」のような形で注文できたので助かりました。田無の書店、博文堂さんに感謝。そもそも塾の近くに教科書販売店があること自体、ありがたいですよね。さて、新しい教科書を見てみると――う〜ん……英語以外、何が変わったの?と思ってしまうくらい、ほとんど違いがわかりません。必修テキストとか、学校で配られる問題集とかちょっとイラストとかカラーが違うだけで中身がほとんど同じだったりします。微妙にページが違ったりするのでその点が何とも扱いにくいもちろん「小改訂」ですから、大きな変更はないのは分かっています。でも、探しても違いが見つからないような改訂に、果たして意味があるのでしょうか?私は毎年、教科書やワークに沿った教材を自作しています。だから、教科書が少し変わるだけでも、過去の教材が使えなくなることがあり、とても不便です。こんな声は、アリンコのように小さなものかもしれませんが、同じように困っている先生も多いのではないでしょうか。こういった細かい変更が、かえって教科書を使わない先生を増やしている気がします。その結果、子どもたちが「学びにくく」なっているのでは?たとえば、「テスト勉強しろ」と言われて教科書やワークを一生懸命やったのに、テストは先生の趣味で作られた独自プリントから出題され、結果は撃沈…。それで内申点がつけられるなんて、生徒からすると理不尽そのものです。もちろん、教える側がやりやすい方法で授業を進めるのは悪いことではありません。でも、学校は「先生の授業のために」あるのではなく、「子どもが学ぶために」あるものです。だからこそ、時代に合わせた教育内容の見直しだけでなく、「学びやすさ」にももっと目を向けてほしいと思います。西東京市田無の個人塾稲塾
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4月よりコースが変わります!
4月より、稲塾のコース設定が変わります!①STEAM教育コースの終了これからの時代には、こうした教育が必要だとずっと感じていたのですが……どうやら世間の皆様との温度差があったようで、残念ながら終了することになりました。(誰か、余ったブロックとか買ってくれないかなあ…)②「完全個別コース」の新設!実は、個別指導ってあまり好きじゃなかったんです。子どもの課題をすべて大人が代わりに解決してしまうような気がしていて。でも、ここ数年、福祉の仕事に関わる中で、**「個別支援の大切さ」**を痛感するようになりました。自分の子育てを通して発達障害についても深く学び、ついには開業までしてしまいました。状況を分析することはできても、「有効な対策をどう立てるか」は本当に難しい…。そんなときに出会ったのが、SMK完全個別でした。このノウハウ、すごすぎる…。本が2冊書けそうなレベルで体系化されていて、自分では到底ここまで言語化できないと実感しました。Facebookでたまたま出会ったのですが、なんと調布の方でご近所さん!ご縁があって、SMKさんと提携して新しい事業を始めることになりました。その名も、「完全個別田無ゼミ」!……うん、ちょっと固有名詞っぽくないけど、これが正式名称です(笑)このコースでは、発達障害や不登校の方を対象にしたマンツーマンの完全個別指導を行います。これまでの「集団個別」形式では対応しきれなかった生徒さんにも寄り添える内容になっています。料金は稲塾と比べて少し高めですが、私が稲塾を始めたときにやりたかったことに、やっと一歩近づける気がしています。というわけで、「完全個別田無ゼミ」開校です!もし、不登校や発達障害のことで、学校や受験に不安がある方がいらっしゃったら、ぜひ一度、足を運んでみてくださいね。西東京市田無の個人塾稲塾
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都立入試を解いてみた②
引き続き、都立入試の感想をお話しします。社会大問1ルートマップの問題がややわかりにくかったですが、問2・問3は簡単でした。世界地理知識だけで戦おうとすると迷走しがちですが、文章をよく読めば解きやすかったです問1:説明文に気候の特徴が明記されているため、雨温図の読み取りができれば解決。問2・問3:モロッコ、ブラジルがやや迷いどころでしたが、「海峡に面した都市」「自国で産出する鉄鉱石」などのヒントから正答が導けました。問3は「航空機産業」をヒントにすればクリアできるはず。日本地理問1:例年通りの自然環境問題。山脈の位置や降雪、黒潮、カルデラ、水不足などのキーワードで解決。問2:山形と山梨は果物の生産が似ている印象ですし、モンテディオ山形とヴァンフォーレ甲府の力の拮抗具体を考える(※分かりますか??)と悩ましい問題でした。設問をよく読むと資料Ⅲに「観光農園年間売り上げ金額」の記述があるので、きちんと読めば大丈夫。計算が不要な資料問題で親切でした。問3:記述問題。「交通の利便性の変化を移動手段に着目して述べよ」…移動手段に触れずに交通の利便性を説明する人はいないのでは?設問がまどろっこしい。歴史問1:簡単だったのでコメント不要。問2:元禄文化と化政文化で迷う…入試だから仕方ないが、個人的にはどっちでもいい気がしてしまう。問3:記述問題。政府が日本画と西洋画の学校を多く設置したら、それらの作品が増えるのは当然。…ということは、浮世絵文化は政府によって衰退した?なんでもかんでも西洋化を進めた明治政府の罪は重い。問4:国家総動員法、戦後の民主化はクリアできそうだが、高度経済成長と大阪万博は少し迷う。公民記述以外は知識で対応可能。安心して解答できる。記述問題は「テレワーク」の影響をどう捉えるかが悩みどころ。模範解答が疑問。設問からは「労働力の減少をICTが補える」程度しか書けないが、テレワークと人口推移って関係あるのか?大問6最初の世界地理以外、出題の雰囲気が変わった印象。問1はやや難しかった。歴史を2年半かけて学ぶのに、公民は学校によっては3年生の2学期終盤から学習開始。それで同じ配点なのは納得いかない。ただ、公民が簡単だったので、バランス的にはこれでいいのかも。私の主観と塾生の自己採点を踏まえると、例年並みの難易度だったように思います。理科文系の私にとっては鬼門。とにかく情報量が多く、文字処理が苦手な人にとってはページを開いただけでため息が出る。今年は計算問題が多め。意図的に計算対策をしなかった人には涙も出る。個人的にはボーリング調査が出てきた時点で脱力。大問1密度・圧力の計算は概数で求めるなど工夫ができたので、厳密な計算は不要でした。大問2湿度の設問が独特で、やりにくかったです。「公式に当てはめる」計算対策では限界があったように思います。大問3中1地学の出題。覚えることを覚えていれば解けるが、「ちゃんと覚える」のがそもそも大変。まあそれでも暗記で片付く問題が多かったと思います大問4中3生物。情報が多くて圧倒されるが、結局「ちゃんと覚えていれば解ける」問題。ここで点数が取れないと厳しい。大問51・2・4は簡単。3の計算が難問。中2の化学計算は難しいと分かっているので想定内。焦ってはいけない。大問6情報の取捨選択ができれば基本問題。ただし、読解力が必要なので、理科の知識がないと解けないのかなあ…社会と同様、完答問題が多いのが不満。一見難しそうに見えるが、解いてみると意外と素直な問題が多いような気がします。塾生の自己採点を見ると、例年よりやや難しめの印象。総評理科も社会も情報量の多さが難しさの要因。毎年感じるが、一問5点・4点の「完答問題」にするくらいなら、選択肢増やして偶然正解を防ぐとか、配点を工夫して問題数を増やすとか、やり方はあると思います。5教科トータルで考えると、例年並みの難易度だったのでは。ボーダー付近の受験生が合格できることを願いつつ、定期テスト対策をしながら合格発表を待ちます。西東京田無の個人塾稲塾
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都立入試問題を解いてみた①
都立入試の問題を解いてみた都立入試が終わったので、塾講師らしく入試問題に挑戦してみました。合格発表までに、大手塾には書けない主観だらけのレビューをお届けします。…毎年、多くの学習塾が入試の講評を発表しますが、どれも似たり寄ったりの無難な内容ばかり。そりゃ、専門家が分析すれば結論が似るのは当然ですが、実際に試験を受けるのは中学生です。専門性が高くなるほど、現場の生徒たちの実感とはズレてくることもあるわけで。私も長年この仕事をしていますが、分析専門ではありませんし、そもそも文系なので数学の知識は偏っています。だからこそ、大手のレビューとは違った視点から語れるかなと思います。このブログをどれだけの人が読んでいるかは分かりませんが、せっかく解いたので爪痕を残しておきます。数学平面図形の3問目と空間図形の2問目が難しかったですが、例年通り合計で10点。この2問を仕留めるよりも、見直しを優先した方がよかったでしょう。セオリー通りです。ここ数年、私にとって図形は易しめ、関数が難しめでしたが今年は逆。その先入観で臨んだ人がいたとしたら焦ったかもしれません。「空間図形は最近簡単」と言っていた自分を反省しつつ、幸いにも問題の雰囲気が難しそうだったので、数学が苦手な子は迷わず捨てられたはず。中堅以上の高校を受ける人にとっては、式の証明関数の3問目空間図形の1問目が勝負の分かれ目だったように思います。式の証明は数字がややマニアックでしたが、迷わず進めた人は正解できたと思います。特に難易度は高くないです。英語ここ数年、長文が読みにくい自由英作文が書きにくいという状況でしたが、今年は比較的解きやすかったように思います塾生の自己採点を聞いていても、解きやすかった様子。※これで平均点が低かったら、今年の塾生の英語力が高かったということに😀自由英作文のテーマは「もっと練習したいこと」。こんなの「英語を勉強する」「毎日サッカーを練習する」みたいな王道パターンでサクッと解決できたはず。…個人的には、こういう問題で「優秀かどうか」を測るのは疑問。だって、生成AIに頼めば一瞬で書ける内容ですよ?こんな問題が解ける人を評価する試験でいいのか、そろそろ考え直すべきでは?長文読解も例年通りの難易度、長さ、展開。自由英作文で時短できれば、時間内に解けたはず。ここ数年、英語はやや難しめだったので、今年は受験生にとってありがたかったのでは?国語すみません、あてにならない思うので特筆しません😞塾生の平均点を見る限り、例年通り易しめだったようです。次回予告文が長くなるので、理科と社会は近日中に。読んでくださる方がいたら嬉しいです!西東京市田無の個人塾稲塾
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「調べる」を考える
わからないことは調べる!まずはそこから「わからないことは聞く」とはよく言いますが、私はいつもこう伝えています。「わからないことは、まず調べる。調べてわからなかったら聞く」聞くことはもちろん大事。でも、すぐに誰かに頼るクセがつくと、自分で考える力が育ちません。逆に、わからないことをそのまま放置するのは論外。これはもう、ただの「思考停止」です。じゃあ、どうするのが正解か?①わからないことはメモする②まずは自分で調べる③それでもダメなら、聞くこれが基本です。「調べる」ってどうやるの?「調べるって言われても、何をどう見ればいいかわからない」そんな声もよく聞きます。でも、答えはシンプル。📖教科書を見る!📌単元のポイントをチェック!英単語なら巻末や単元冒頭にまとまってるし、数学なら公式が載ってるはず。社会や理科も、キーワードを見れば関連情報が出てきます。そして大事なのは、「調べたら終わり」にしないこと。答えを書いて◯をつけるだけでは、すぐに忘れてしまいます。✏ノートに書く→2~3日に1回見直すこれを続けるだけで、驚くほど定着します。スマホは味方か、敵か?中3はこの習慣がよく身につきました!ノート作りが上手です😀でも、1・2年生はまだまだ。「わからない問題に出くわすとフリーズ」「とりあえずGoogle先生に聞いてみる」うーん、特に後者は危険。ネットの情報が多すぎて、結局どれを信じていいかわからなくなるパターンです。ていうか、答えをググるなら、解答集を見た方が早くないですか?どのみち「覚えなおす」という作業は必要なので、時間の使い方を間違えちゃダメ。スマホを上手に使えれば最強のツールなのに、今はまだ「おもちゃ」になってる気がします。とはいえ、「使うな!」と言ってしまうのも違う。どうせ使うなら、ちゃんとした調べ方を身につけるべきなんです。やっぱり「教科書」最強説最近、少しずつですが、教科書を使う生徒が増えてきました。これ、すごくいい傾向です。なぜなら、教科書準拠で勉強してるんだから、教科書を見れば大体のことは解決するから。しかも、ただ答えを探すだけじゃなく、周辺の情報まで拾えるのが強みです。次のステップは、「学校の授業ノート」や「プリント」を活用することですね。…と言い続けて、1年生に「ノート持ってきて」とお願いしてから2週間。いまだに手に入らず……😅まぁ、地道にやるしかないですね!💡まとめ💡✅わからないことは、まず調べる!✅教科書やノートを最大限に活用する!✅調べたことはメモ&復習で定着させる!✅スマホは「おもちゃ」じゃなく「ツール」として使う!「聞く力」も大切だけど、「調べる力」も同じくらい大切。これがしっかり身につけば、勉強だけじゃなく、将来社会に出ても役に立ちます。さぁ、今日も「まず調べる」習慣、始めていきましょう!西東京市田無の個人塾稲塾